綺麗になりたい大学生ひよこ🐣のブログ

【谷崎潤一郎『刺青』】批評 参考 (玉林春朗)

有名な日本文学の面白さを伝えられたら、と思う文学部生ひよこです🐣

玉林春朗さんの、谷崎潤一郎『刺青』に関する批評を紹介したいと思います😊

↓谷崎潤一郎の『刺青』を簡単にまとめました!こちらの記事もいかがですか?

www.hiyoko.work

玉林春朗って誰?

 玉林春朗とは明治から昭和にかけて生きた(1898年〜1945年没)文学研究者です。

 

「春朗」なんて珍しい名前ですよね!また、この名前は「ハルロウ」ではなく「ハルオ」と読みます。「春に朗らか」なんて、とても爽やかで、、ひよこは好きです☺️♪

ちなみに本名は「繁」と書いて「シゲル」と読みます。

 

いくつか研究書を書いており、その中でも以下で紹介していく『文身百姿』が玉林春朗の著書の中で1番注目されています!

(国会国立図書館典拠データ検索・提供サービス参照)

 

玉林のことが気になり出したところですが、今回のテーマ、谷崎潤一郎の『刺青』に関する批評を見ていきましょう😊

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谷崎潤一郎『刺青』に関する玉林春朗の批評

(玉林晴朗『文身百姿』一九五六年)

「刺青」そのものに対しての批評

「〈いれずみ〉と云ふ事は墨を入れる。即ち墨を肌に刺すと云ふ意味であって、最近は専ら〈刺青〉と云ふ文字が用ひられて居るが、これでは青い色素これでは青い色素でも刺すかの様にも取れる。これは理屈から云へば刺墨と云ふべきだが、結果から見て墨を刺しても青い色素を刺した様に見えるのでそう云ったものであろう」
  

🐣→引用した上記部分は谷崎潤一郎『刺青』への批評ではなく、「刺青」そのものに対する批評です。谷崎の『刺青』を読む際にも参考になるので載せます✨

これを読み、ひよこは何故イレズミに刺青という漢字をあてることになったのか、気になりました!

墨の色を敢えて黒、と言わないところに刺青を趣深いものとするこだわりがあったのでしょうか。もしくは、あの墨の色は、その当時、実際に「青」だったのでしょうか?(←言語論的な話)

時を超えて思いを巡らすと、尽きないですね☺️

 

「刺青」の読み方に対しての批評

さあ続いて直接谷崎の『刺青』への批評に関わってくる部分です。

 

玉林春朗
「現在では刺青と文身と両方の文字が用いられ、称呼としては一般に“いれずみ”と“ほりもの”の両様が用いられている。が然し江戸から発達した処の、あの背中一面に彫る大きな絵図の文身は矢張り〈ほりもの〉と云ふ方がやはりそれらしくていい」
   
🐣→玉林が『文身百姿』を出版したのが一九五六年、谷崎が『刺青』を出版したのが一九一〇年。

谷崎は初本版において、その箱の署名と、中扉の題名には「しせい」とルビしていました。

つまり、玉林は谷崎潤一郎の『刺青』に対しても批判的な姿勢を取っているのです😳

 

しかし谷崎もまた、初本番以外その他、そして初出以降はすべて「ほりもの」とルビしています。

これは、玉林と谷崎が刺青の読み方に対して、同じような考えを持っていると考えられるでしょう。もしかしたら玉林の文章は、谷崎のルビ変更に影響されたものなのでしょうか、、

 

ひよこは「いれずみ」「ほりもの」「しせい」、どれが読み方としてふさわしいか、選び難いです。

 

「いれずみ」は「入れ墨」が思い浮かび分かりやすいですし、

玉林が言うように、あの背中にはびこる感じは「ほりもの」と言うのがふさわしいようにも感じますし、

痛みと美しさを思うと「しせい」と言う読みの方がしっくりくるようにも思います🤔

 

あなたはどれがお好みですか?

ちなみに漢字も「入墨」「刺青」「文身」と選べますよ!😳

 

最後に

誰かの意見を聞くと、自分の脳みその中で歯車が回り出すような感覚がありませんか?⚙✨

ひよこも書きながら想像が膨らんでいき、とても楽しかったです☺️

皆さんと一緒にこれからもワクワクできますように🌟

ひよこ🐣